バニラ
「って言うか、真っ昼間からラブホって……どう言うこと?」

あたしは言った。

そう、あたしたちは大学からラブホにきていたのだ。

「おかしい?」

そう言った恭吾に、
「おかしいも何も、ちょっと…」

真っ昼間からラブホで過ごすカップルって、どこをどう探してもあたしたちくらいかも知れない。

「それに、仕事はどうするの?」

そう言ったあたしに、
「んー、サボろっかな?」

特に悪びれる様子もなく、恭吾が言った。
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