バニラ
「――理彩…」

恭吾の手があたしの頬に触れる。

「最後に、キスさせて」

チュッと、恭吾の唇とあたしの唇が重なった。

「――んっ…」

マシュマロのように肉づきのいい唇の感触に、あたしは落ちそうになる。

今までにないくらいに気持ちよくて、躰がフワフワと浮きそうだ。

「――はっ…」

お互いの唇を離した後、あたしは恭吾と見つめあった。

「――理彩…」

恭吾があたしの名前を呼んだ。

「――愛してる」

そう言った恭吾に
「――あたしも…」

言葉を返したあたしに恭吾が優しく笑った。
< 17 / 150 >

この作品をシェア

pagetop