バニラ
「ほら、もう」

彼女をベッドに寝かせた後、俺はベッドの端に腰を下ろした。

結局、この怪しい看板のこの場所に彼女と一緒に入ってしまった。

「それにしても」

俺は部屋の中を見回した。

そう言うことをするための部屋とは言え、ちょっと広過ぎないか?

ベッドもキング…いや、それ以上あるんじゃないかって言うくらいにデカかった。

とりあえずシャワーでも浴びてアルコールで火照った躰を癒すかと思って、腰をあげた時だった。

「――東雲さん…」

彼女に名前を呼ばれたと思ったら、
「んっ?」

視界に何故だかわからないけど、天井が入った。
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