バニラ
『お昼、一緒に食べに行かない?』

絵文字や顔文字も使っていない、恭吾らしいメールだった。

まあ、あの恭吾が絵文字や顔文字を使っていたらちょっと笑えるけど。

そう思いながら、あたしは携帯電話をカチカチと動かして恭吾宛てのメールを作成した。

『別にいいよ、どうせヒマだったから』

送信。

恭後のことを言ったわりには、自分も絵文字や顔文字をメールに使っていない。

携帯電話はすぐに恭吾からの返事を受信した。

『わかった、学校まで迎えに行く』

学校?

あたし、恭吾に学校の場所を教えたかしら?

そう思いながら、あたしは携帯電話をカバンの中に入れた。
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