バニラ
授業が終わると、あたしは真っ先に教室を飛び出した。

わからないかも知れないから、とりあえず校門の前で恭吾を待っていなきゃ。

なのに、
「おい、理彩!」

校舎を出たところを、元カレの和志に呼び止められた。

それを無視して通り過ぎようとしたら、
「ちょっと待て!

昨日の男はどう言うことなんだよ!」

和志に肩をつかまれた。

「離して!」

あたしは和志の手を振り払うと、
「そのまんまの意味だけど。

って言うか、あたし今急いでるんだから!」

「お前、俺に隠れて違うヤツとつきあってたのかよ!?」

和志が言った。
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