バニラ
中原もさっさと気づいて、俺以外のヤツを探せばいいのにな。

心の中で呟いて、心の中でため息をついた。

「猫を拾ったんだ」

それ以上詮索されないうちに、俺は彼女の前を去った。


「確か、あった」

理彩が通っている学校の門が見えた。

車を左に寄せて止めると、車を降りて彼女を迎えに校内へ足を踏み入れた。

スーツ姿で校内に入ってきた俺に、生徒たちは特に何も思ってない。

教授がうろついているくらいにしか思っていないんだろうな。

けど、それ以上に注目するべきところがあった。
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