バニラ
俺は彼女の泣き顔に恋をしたのだと、気づかされた。

女が泣くと、ただめんどくさいだけだったのに。

表面的には慰めていても、心の中ではめんどくさいといつも息を吐いていた。

でも、俺は彼女の泣き顔に恋してつきあっている。

「もう泣くな」

ポンと、俺は彼女の頭のうえに自分の手を置いた。

俺には、理彩しかいらない。

今も、これから先の未来も。

俺が必要なのは、理彩ただ1人だけ。

他にはいらない。

理彩がずっと、必要だから。

俺の、愛しのフェイトムーン(運命の人)。
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