バニラ
恭吾の指が、敏感なところを布越しからさわってきた。

「――んっ!」

ビクッと、あたしの躰が震える。

「感じた?

下着をさわっただけなのに」

ニタリと眼鏡越しで笑う恭吾は、あきらかにあたしの様子を楽しんでいる。

「んっ…やあっ…」

指先でなぞるように、下着のうえを上下に行ったりきたりと繰り返した。

恭吾は楽しんでいるっぽいけど、誕生日じゃないよね?

「震えてるね、理彩」

恭吾があたしの耳元でささやいてきた。

「――さわ、って…」

恥ずかしいことなんか、忘れた。

「直接、さわって…。

気持ちよくしてェ…」

そう言ったあたしに、
「よく言えました」

恭吾が返した。
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