そして天使は闇へ堕ちる
☆ ☆ ☆
「……ん。こ、ここ……は……?」
見覚えのない部屋にリュリュカは辺りを見渡す
ソファーに座らされていたため、動こうと思えば動けたのだが力が入らない
「おはようリュリュカ」
呼ばれた先に視線を送ると、そこには正面のソファーに優雅に座るシェゾがいた
「.....あなたの仕業だったんですね、シェゾ様」
「きっと君は来ないだろうと思ってね。僕の護衛に尾行させて捕まえて来てもらったんだ」
リュリュカは乱れたベールを直し、ベール越しにシェゾを睨む
「あれはあなたの監視役だと思ってましたが?」
「僕は元魔王だよ?従う者は陛下より多い」
さて。と、そういいながらシェゾは内ポケットから赤い宝石の埋められたネックレスを取り出した
「これを君に渡したくて呼んだんだ」
「いただけません」
「即答とは酷いな」
「貴方からの贈り物は怖いです」
「酷い言われようだね」
カチャリ。と、テーブルの上にネックレスを置くと、シェゾは足を組んでソファーにもたれ掛かる
「君は知りたくないかい?陛下の事を」
「それはどういう意味ですか?」
シェゾの言葉にリュリュカはピクリと反応し、眉を寄せた
それを見たシェゾは実に愉快そうに頬杖をつく
「この宝石は特別でね、記憶をしまうことができるんだよ。そしてここには陛下の過去が眠っている。嘘じゃないよ?あぁ、そういえば最近ゼロの様子はどうかな。この時期になるとうなされるはずだけど」
「…………あ、あなたは何を知っているんですか」
「全てだ」
シェゾはニヤリと背中を震えあげさせるような笑みを浮かべる
「目的はなんですか?」
「目的?」
リュリュカの問いに、今度はシェゾが眉を寄せた
「そうです」
リュリュカはずっと考えていた
この悪魔はなにがしたいのかと....。