秘密な彼氏
「――あやめ…」

ささやくように私の名前を呼ぶその声にも、感じてしまう。

執拗に攻める指先に、頭がおかしくなる。

もうダメ…。

そう思った瞬間、
「――えっ…?」

敏感なところに触れていた指が離れた。

その指は、濡れていた。

私がどれだけ感じていたかを知らされた。

「何かあった?」

隆志はそう聞いた後に舌を出して、濡れた指をなめた。

「――ッ…」

その仕草が自分にされたみたいで、恥ずかしくなった。

「――あ、あのね…日曜日、友達の美里と出かけるの」

私は言った。
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