秘密な彼氏
キスもエッチも…。

その言葉に、美里が顔を横に向けたのがわかった。

「だから、昨日みたいなことをしたんだよ。

同僚の子に昼飯をおごる、って言う条件つきで。

おかげで3000円相当のスペシャルランチを払わされることになったんだから」

隆志は呆れたと言うように言った後、息を吐いた。

「けど、あやめは何にも言わなかったじゃん。

一緒に歩いていても、そのままホテルへ行っても、あやめは何にも言わなかった。

俺、あやめに嫌われたんだって思った」

悲しそうに、隆志が私を見つめてきた。

「隆志…」

名前を呼んだとたん、
「バッカバカしーい!」

美里が叫んだ。
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