結婚式3時間の為の男選び
真奈美
「また、一方的かよ・・・(笑)。」
恵理のいつもの調子の
『マシンガントーク』で
一方的に電話を切られて、
真奈美は、独り言を言っていた。


本当は、真奈美から
話したいことがあって電話したので、
多少、腹が立つものの、
いつもの、恵理の明るいテンションに、
ざわついていた胸騒ぎは
少し、落ち着きを取り戻していた。



さっきまで、恐さと怒りで
震えていた真奈美は、
もう一度、ホテルに送られてきた
FAXに目を通した。



『斉藤真奈美は淫乱女。
 複数の客に手を出すアバズレ女!』





やっぱり、だめだ。
拭いても、拭いても、
大粒の涙が止まらない。



真奈美は誰もいないロッカー室で、
泣きながら蹲った。
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