結婚式3時間の為の男選び
ただ、人間というのは、
慣れなくても学習する生き物。



微塵も恵理は拒絶反応を
微塵も出さずに、
さりげなく、あくまで

ポーカーフェイスで、

おっさんの手を彼の膝に戻し、
おっさんの質問に答えた。



だけど、それだけじゃ、
逃げられない場合もある。
案の定、今度は肩を組んできた。
このように、
『二次災害』に巻き込まれたとき用に、
見出した高度テクニックが、
『水割り作っています作戦』!




彼の向かいの席に座り直し、
水割りを作るフリをして、逃げた。



「恵理ちゃんは、偉いんだね。じゃ~、
そんな偉い恵理ちゃんと飲みたいから、
ボトル一本入れてあげるぅ~。」



そんなさりげない恵理の行動を、
すっかり出来上がってしまった
酔っ払いには、気づくはずもない。
普段、どんなに神経質な
性格の人であっても・・・。


「わぁ~!!嬉しいぃぃぃ!
チーフ!ボトルお願いしま~す!」

恵理はいつもより、
ワントーン上げて、
嬉しそうにチーフを呼んだ。

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