いつか想いが届くまで

普通の日常




転入してから一ヶ月が経った。
みゆとは自分で言うのもなんだけど、なかなかうまくやっている。
日頃たくやがみゆへの不満を私にぶつけてくるから私もなんだかみゆが苦手になってきてしまっていた。


「たーくーやー」

「……お、直樹」

「あ、直樹くん!!」


友達も増えた。
今はたくやと私と桜川直樹の三人で行動することが多い。
直樹くんは金髪にピアスという見た目はかなりこわい人だけど、たくやと同じ野球部員らしい。
ちなみに私は野球部マネージャー。

部活はやらないつもりだったけど、たくやにかなり説得されてついに折れてしまった。


「なぁ、今週の練習試合どうすんの?」

「あぁ、そこら辺はみかが考えてくれてるから、な?」

「え?あ、うん。一応スタメンは…」

「ほらな?みかはしっかりしてるんだって!!」


たくやが私の肩をぽんぽんと叩いてニコッと笑う。

スタメンを考えるのもスコアブックをつけるのも私にとってはどうってことはない。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop