幻想館-眠り姫編-

疑惑

それは、いつもと変わらない日だった。


私は高校3年の姉と二人で暮らしていた

一昨年の秋、両親は交通事故にあい、他界した。


初めは途方に暮れていた私達だったが、いつまでも哀しみの中に埋もれているわけにはいかない。



両親が残してくれた預金と事故の相手側からの収入で、私達は生活していた。


姉は私にとって自慢である。

姉の優しい笑顔が、私への励ましのような感じだった。



そう・・・あの日も、優しく笑う姉に送り出され学校に向かった


放課後、部活もなかったので帰宅しようと席を立った時、携帯が鳴った。



・・・高校から?・・・



「はい・・・・・・・・・えっ! すみません、あの何を言ってるのか・・・・・・」



「お姉さんが自殺を・・・・・・」


自分の耳を疑った。

そんな事、お姉ちゃんにはありえない。

それでも私は、真実を確かめる為に病院に向かった。



天地がひっくり返ったような感じだった

両親を失い、そのうえ姉までもいなくなったら・・・・・・。


こみ上げる思いと動揺を隠し切れないまま、病院に入った。




受付の前で担任の先生が待っていた。


「姉は・・・?」



「意識不明で集中治療室に運ばれて」


先生は私の顔を見るのが辛いのか時折、目をそらした。



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