バスケより一番に




「これで遅刻したのはお前のせいになるからな」



「なぁんで?…っく」




「そりゃ……泣いてる顔してる奴をほっとくなんて出来ないから?」




あぁ…
やっぱり何処に行ったっていい人は居るじゃん。



「…」



この人となら仲良くなれる、そう思った。



「あっ、ちなみに俺の名前は徳井…」




「ゔ、ゔぇーん!!」


私はその徳井君と言う人を抱き締めて泣いてしまった。




「ちょっ、おいおい…
はぁ…」




そしたら徳井君は黙ったまま優しく私を抱き締めて背中をさすってくれた。


「寂しかったんだよな?」


コクン


「大丈夫、このクラス皆いい奴ばっかだからさ、すぐ仲良くなれるって」



そう励ましてくれる徳井君。


来るのを待ってるんじゃなくて、自分から行かないとダメだよね。


「…ありがと。
こんな事で泣いて馬鹿みたい。

頑張らなくちゃね!!」


「おう」


新しく踏み出さないと。






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