[短編]One-Way Ticket
火曜日は学校が休講だから一日中バイト。


上がるのは23時過ぎくらいで、バイト先からマンションまでは徒歩10分程度だった。


通い慣れた道。


公園の前を通りかかった時に二人組の男が近寄って来た。


同い年くらいの男


「ねぇ…どこ行くの?」

「今帰り?」


私は足を止めずに、男達を避けるように歩く。


「シカトしてんじゃねーよ」

チクりと背中に痛みが走っる。注射針を刺されたような痛み。


見ると刃渡り12センチくらいのナイフが背中に当ててあった。


「言う事聞けよ…なぁ?」


耳元でナイフを持った男が囁く。


全身に鳥肌が立ち恐怖が込み上げてきた。


足に力が入らない。


逃げなきゃ…


動かない。


私は男達に促されるまま公園の公衆トイレに押し込まれた。


ナイフが妖しく光っている

誰か


助けて!


那智っ…!
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