銀杏
パシャッ…パシャッ…
水溜まりを弾く音が聞こえる。
荒い息づかいと…びしょ濡れのスニーカー…。
顔を上げるとずぶ濡れの尊がいた。
「何…ハア…やってんだよ。ハア…ハア…。」
「う…うわーん!!」
ガバッと抱きついてわんわん泣いた。
家に帰るとおばちゃんはびしょ濡れの二人を見て、すぐお風呂を沸かしてくれた。
咲の後に尊もお風呂に入り、あがってくると尊に呼ばれて、今尊の部屋にいる。
尊は勉強机の椅子に反対に座って、背もたれに組んだ腕を乗せた。
咲はベッドを背にしてもたれるように床に座る。