銀杏


尊が帰ってきた。

結局家で帰りを待つことにした。
玄関まで飛んでいって「お帰り!」と抱きつきたいとこだけど、お義父さんやお義母さんの手前それはできない。
だって恥ずかしいじゃない?

普通に出迎えたんだけど…

「ちょっと来て。」

部屋まで連れて行かれた。

「何、どうしたの?」

「先ずは充電。」

尊はガバッと抱きついてぎゅうぅぅーっと締め付けた。

「ぐえっ!ごほっごほっ…ちょっ…苦し…。」

「少しくらい我慢しろ。長い間触れてなかったんだから。」

が…我慢て…息ができない!
水泳で鍛えた肺活量があるとは言え、これは締めすぎ。

「…もうちょっと…加減……してっ…」

ぱっと手を離すと、咲はゼイゼイとなった。

「…力…有り余って……はあ、…殺す気!?」

じっと睨んだけれど尊は真剣な面持ちで、今度は優しく頬に手を添える。




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