銀杏


尊はお風呂に入り、咲は後片付けをしていると「咲ー!」と呼ぶ声。

訊けば、片付けを後回しにして先に風呂に入ってこいと言う。

義父母のいる家で、育ての親とも言える人たちだけど、その人たちの前で堂々と一緒に入るのは、抵抗がないと言えば嘘になる。

躊躇っているとお義母さんからにこやかに「入っておいで」と言われて「それじゃあ」と入っていった。

助かった…。お義母さんから言ってもらわなかったら入れなかったよ。

脱衣所で一つ深呼吸して中に入っていった。



「なあ、風呂に入るのに何で水着着てんの?」

水着?そんなの着てないじゃん。

「ああ、日焼けか。そんな色の水着かと思った。」

「何よー!いきなり意地悪!?もういい。出る!」

食事の時も“日に焼けたなあ”て思ってたのに、わざわざ改めて意地悪言わなくてもいいじゃない!

「ははっ。つい確かめたくて。」




< 703 / 777 >

この作品をシェア

pagetop