四竜帝の大陸【青の大陸編】
竜の生き血は、老いた肌を若返らせる。
竜の心臓を食せば、不老不死になれる。

そんな馬鹿馬鹿しい迷信を信じた女に請われ、グウィドリアは……。
両親の心臓を生きたまま引きずり出し、女に捧げたのだ。
 
愛されたい。
愛したい。
生きたい。

死にたい。

狂気の中で苦しみ、悲しみ、憎み。
愛しい女を喰らって、蛇竜になった。

「ねえ、グウィドリア。君もそう思うだろう? 」

異界から落とされた、哀れな娘。
幸せになって欲しい。
いや、してやらなければ。
竜族には彼女を幸せにするべく努力する義務がある。

<贄>の代償を支払う義務がある。
 
彼女はいうなれば<生贄>なのだ。

ヴェルヴァイドという存在をこの世界に繋ぎ止める為の……。

きっと、すべては必然。
仕組んだのは……。

「さて。着替える前に社長に定期連絡を入れておこうかな」

それは必然。

<世界>の意思。



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