四竜帝の大陸【青の大陸編】
良く見ると、持ちやすいように上部真ん中に輪がついてるけれど、体格的に無理でしょう!?

「陛下や旦那の竜体が特別なんだよ。俺のがごく普通。この駕籠を持つのに全く支障の無い大きさわけ。……旦那を基準で竜族を考えるのはやめたほうがいいぜ? 四竜帝と旦那は特別だからなぁ」

私の表情を見たダルフェさんが、折りたたみテーブルの真ん中に空いた穴に大型のパラソルの支柱をはめながら言った。
彼はお茶会ために、テーブルやイスを手際よく準備してくれていた。
なるほど……ハクちゃんタイプは珍しい大きさなんだ。
へぇ~、ふ~ん。
じゃあ……ダルフェさんは背中に人が乗れる位、大きいの?
竜の背に乗るなんて、素敵!
映画やゲーム、漫画で見るたびに憧れたっけ。
人類の夢(?)です!
私の妄想を察知したダルフェさんは、先手をうってきた。

「竜に直乗りで移動可能なのは人間だと閣下みてぇな武人、訓練された軍人だ。姫さんじゃ死んじまうぞ? 飛ばなくてちょっと背に乗せるんならいいが……ぐぎゃっつ!?」

ダルフェさんが視界から消えた。
え?

「りこを背に乗せるだと? 我へのあてつけか! 我だってやろうと思えばっ……!」

私がまさかと思い、隣を見るとハクちゃんのやたらに長い足が地面に戻されるとこだった。
蹴った。
御蹴りあそばされましたよ、大魔王様がぁああ!

「ちょ、ハクちゃん! あれ? ダルフェさ~ん? どこに飛んでったの? いない?」

きょろきょろと周囲を見渡す私にカイユさんが微笑みつつ、教えてくれた。

「あの馬鹿でしたら落ちましたわ、下に。そんな事より、お席にどうぞ」

そんな事ですか。
はぁ、まあ……平気ってことですね?
竜族って、なんでそんなに丈夫なんですか!?

「さあ、お座りください」
「は、はい」

カイユさんが笑顔で椅子をひいてくれたから、私もつい笑みを返して座ってしまった。
ハクちゃんとダルフェさんのじゃれ合い(?)に動じなくなった自分が怖いっ!
 


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