四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ご……ごめんなさい。ハク、ごめんなさっ……」
泣かないって。
泣かないって、決めたのに。
貴方の前では、笑うって決めたのに。
もう、失敗してる。
「ごめ……大丈夫よ、ハク。お医者様はいらない。これもいらない」
私は掛け布団をはらって、ハクちゃんに抱きついた。
強く、強くハクを抱きしめた。
「わ……私、こうしていたい」
言葉を覚えるのは、生きていくためだった。
ハクちゃんとの念話だけではこの先、生きてくのに不安だった……足りないって思った。
根性なしで努力家でもない私が自分でも驚くくらい、一生懸命に勉強したのは不安だったから。
「りこ?」
竜のハクちゃんは、いつか人間の私から離れていく。
きっと、私は要らなくなって……捨てられるって。
「りこ、我より寝具の方が暖かいと思うのだが? 寝具を使え」
どうやらハクちゃんは、納得できないらしく。
両腕を不自然にあげ、手をにぎにぎしていた。
私の身体を抱きしめてくれなかった。
「私は布団よりハクちゃんが……ハクが良い」
あのね、ハクちゃん。
貴方が人型になれると知ったとき、貴方のこの姿を見たとき。
いつか、私は貴方に必要とされない時が来る。
それが、確信に変わった。
小さな竜の貴方に、人間の私を『妻』にしてもらうのは無理だって分かってた。
私の膝で丸くなり、満足気に眼を細め……撫でられていた貴方。
抱っこ抱っこと私に甘える貴方にとって、私は妻ではなく『お母さん』の代わりなんだと思った。
インゲンの私は、『女』としては見てもらえないと……。
人間みたいな外見になったって。
竜の貴方が私なんかをどうこうしたいなんて、有り得ない。
うぬぼれちゃいけない、望んじゃいけない。
後で惨めになるだけだって。
ハクちゃんの『お母さん』にさせてはもらえても、恋人にはなれっこない。
「ハク。私……自分でもおかしいんじゃないかって思うくらい、貴方が好き」
貴方に竜の恋人ができても邪魔しないなんて、離宮で言ったこともあったけど。
本当はね、嫌だった。
この私が小竜の貴方の恋人に……奥さんに、妻になりたかったんだもの。
泣かないって。
泣かないって、決めたのに。
貴方の前では、笑うって決めたのに。
もう、失敗してる。
「ごめ……大丈夫よ、ハク。お医者様はいらない。これもいらない」
私は掛け布団をはらって、ハクちゃんに抱きついた。
強く、強くハクを抱きしめた。
「わ……私、こうしていたい」
言葉を覚えるのは、生きていくためだった。
ハクちゃんとの念話だけではこの先、生きてくのに不安だった……足りないって思った。
根性なしで努力家でもない私が自分でも驚くくらい、一生懸命に勉強したのは不安だったから。
「りこ?」
竜のハクちゃんは、いつか人間の私から離れていく。
きっと、私は要らなくなって……捨てられるって。
「りこ、我より寝具の方が暖かいと思うのだが? 寝具を使え」
どうやらハクちゃんは、納得できないらしく。
両腕を不自然にあげ、手をにぎにぎしていた。
私の身体を抱きしめてくれなかった。
「私は布団よりハクちゃんが……ハクが良い」
あのね、ハクちゃん。
貴方が人型になれると知ったとき、貴方のこの姿を見たとき。
いつか、私は貴方に必要とされない時が来る。
それが、確信に変わった。
小さな竜の貴方に、人間の私を『妻』にしてもらうのは無理だって分かってた。
私の膝で丸くなり、満足気に眼を細め……撫でられていた貴方。
抱っこ抱っこと私に甘える貴方にとって、私は妻ではなく『お母さん』の代わりなんだと思った。
インゲンの私は、『女』としては見てもらえないと……。
人間みたいな外見になったって。
竜の貴方が私なんかをどうこうしたいなんて、有り得ない。
うぬぼれちゃいけない、望んじゃいけない。
後で惨めになるだけだって。
ハクちゃんの『お母さん』にさせてはもらえても、恋人にはなれっこない。
「ハク。私……自分でもおかしいんじゃないかって思うくらい、貴方が好き」
貴方に竜の恋人ができても邪魔しないなんて、離宮で言ったこともあったけど。
本当はね、嫌だった。
この私が小竜の貴方の恋人に……奥さんに、妻になりたかったんだもの。