四竜帝の大陸【青の大陸編】
青の大陸は遥か昔、行き過ぎた科学力が原因で文明が滅びかけた。
 そのため、代々の<青>はどの大陸よりも科学力に細かな【規制】をかけて……裏側から慎重にコントロールしてきた。
 危険極まりない大海に四方を囲われた青の大陸は、他の大陸へ渡る事が人間の力では不可能だ。
 空を飛ぶ竜族のみが、海を越えられる。
 異大陸の文化・物品は<青>が慎重に選別したものだけが……大陸の未来に害なす物ではない【安全】な物のみが、この大陸に輸入されているのだ。
 人間共は自分達が思っている以上に、竜帝に支配され……守られている。
 それが双方にとって良いことなのか……正しいことなのか、我には分からんが。
 
「ハクちゃん!」

 我の前に立ったりこは、軍事用マスクに蜥蜴蝶を素材に用いた指先から足首まで覆う黒い‘特注割烹着’なるものを身につけていた。

「このマスクね、深く息をすると……」

 シュゴ~。
 シュゴゴ~ン。

「この呼吸音! ぶふふっ……完璧、おもしろい!」

 小さな体躯に大きすぎるそれは、りこの頭部を2倍以上大きくしてしまい。
 首から下との釣り合いがとれておらず、我から見ると面白いというより異様だった。
 どこがそんなに面白いのか、全く理解不能だ。

「……そうだな。面白いな」

 我にはよくわからんが、りこにとってこれは‘面白い‘ことなのだな。
 楽しそうに柄杓をふるりこ……りこが楽しいなら、我は満足だ。
 しかし、笑んでいるはずの可愛らしい表情が見えんのは如何なものか……損した気分だぞ。

 ん?
 ダース○ーダーとは、なんなのだろうか? 
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