四竜帝の大陸【青の大陸編】
君はずっと、‘夫の死にも動じない強い女’であり続けようとするんだろう?
俺が生きてる間も……死んだ後も。
俺のために。

なぁ、アリーリア。
寝ている俺が息をしているか、毎晩確かめてるよな?
風呂で湯に沈んで、泣いているだろう?

ごめんな。
俺、知ってるんだよ。

そんな君に、俺はなにをしてやれるんだろうか?

「ダルフェ。街に行ったら、義母様達へのお土産も見たいわね。何がいいかしら……明後日までに調べておきなさいよ、役立たずっ」

ごめんな、姫さん。

俺はあんたを利用する。
遺していく愛しい者達の為に。

あんたという存在を利用する。

だから、その変わりに。
あんたを俺の<娘>にしてあげる。

「了解! よし、姫さん。甲斐性なしの旦那の変わりに、高給取りの父ちゃんがなんだって買ってあげちゃうよぉ?」

ごめんな。
俺が、あんたを。

地獄に落とすのかもしれない。

 
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