四竜帝の大陸【青の大陸編】
「よし! じゃ、次は姫さんと踊ってくださいよ、旦那。そんで細かいとこ確認しましょうや」
竜帝さんを廊下まで見送ったダルフェさんは、戻ってくるとすぐにハクちゃんにそう言った。
ダルフェさんはベンチに歩み寄り、ジリギエ君を抱き上げて自分の頭に乗せた。
「姫さん。ぱっぱと終わらせて、早めの昼飯にしよう。午後は姫さん達の身支度の時間もとらなきゃだから、けっこう時間がねぇからね」
「はいっ! ハクちゃん。よろしくお願いしますっ」
私はびしっと背筋を伸ばし、深々と一礼してから両手をハクちゃんへ突き出した。
「……そこからすでに違うし。雌は堂々としてなきゃ。頭下げんのは雄だけ、姫さんは後から片手を差し出すだけね?」
「は、はいっ!」
しまった、ついついっやる気が先走ったというかっ……恥ずかし~い!
ダルフェさんの注意を受け、慌てて手を引っ込めた私だった。
これで問題解決。
誰もがそう思ったのに……。
踊り始めて数秒で問題が発生し、ダルフェさんが頭を抱えた。
「なんでっすかぁ!?」
その声に赤い髪の中で寝ていたジリ君が、ぱっと顔を上げて私達を見た。
ハクちゃんが、うまく踊れなくなってしまったのだ。
動き的にはあってるけれど動きが変、というか硬い。
まさに、かっちんこっちん。
私を見下ろす眼が、徐々に剣呑なものに変わっていく。
眉間に縦線が発生した。
かなり怖い顔になっていた。
私は怖くないけれど、ジリ君はささっとダルフェさんの髪に潜ってしまう。
全身隠れるなんて無理だから、お顔をダルフェさんの頭に押し付けてるって感じだった。
ハクちゃんは踊るのを止め、私と……ダルフェさんの隣で仁王立ちしているカイユさんを、じーっと睨んだ……じゃなくて、見た。
「やはりな。……模倣はできるが、応用は難しい。カイユと踊るダルフェの動きを我は記憶した。だがりことカイユでは身長……体躯が大きく異なるために我の中でずれが生じ、修正がうまくできん」
応用……ずれって何?
私にはよくわかんないけれど、つまり……ハクちゃんを当てにする作戦は、駄目だってこと!?
ううっ、不安的中。
見ただけでなんでもできるなら、パジャマにあんなに手間取るわけないものっ!
竜帝さんを廊下まで見送ったダルフェさんは、戻ってくるとすぐにハクちゃんにそう言った。
ダルフェさんはベンチに歩み寄り、ジリギエ君を抱き上げて自分の頭に乗せた。
「姫さん。ぱっぱと終わらせて、早めの昼飯にしよう。午後は姫さん達の身支度の時間もとらなきゃだから、けっこう時間がねぇからね」
「はいっ! ハクちゃん。よろしくお願いしますっ」
私はびしっと背筋を伸ばし、深々と一礼してから両手をハクちゃんへ突き出した。
「……そこからすでに違うし。雌は堂々としてなきゃ。頭下げんのは雄だけ、姫さんは後から片手を差し出すだけね?」
「は、はいっ!」
しまった、ついついっやる気が先走ったというかっ……恥ずかし~い!
ダルフェさんの注意を受け、慌てて手を引っ込めた私だった。
これで問題解決。
誰もがそう思ったのに……。
踊り始めて数秒で問題が発生し、ダルフェさんが頭を抱えた。
「なんでっすかぁ!?」
その声に赤い髪の中で寝ていたジリ君が、ぱっと顔を上げて私達を見た。
ハクちゃんが、うまく踊れなくなってしまったのだ。
動き的にはあってるけれど動きが変、というか硬い。
まさに、かっちんこっちん。
私を見下ろす眼が、徐々に剣呑なものに変わっていく。
眉間に縦線が発生した。
かなり怖い顔になっていた。
私は怖くないけれど、ジリ君はささっとダルフェさんの髪に潜ってしまう。
全身隠れるなんて無理だから、お顔をダルフェさんの頭に押し付けてるって感じだった。
ハクちゃんは踊るのを止め、私と……ダルフェさんの隣で仁王立ちしているカイユさんを、じーっと睨んだ……じゃなくて、見た。
「やはりな。……模倣はできるが、応用は難しい。カイユと踊るダルフェの動きを我は記憶した。だがりことカイユでは身長……体躯が大きく異なるために我の中でずれが生じ、修正がうまくできん」
応用……ずれって何?
私にはよくわかんないけれど、つまり……ハクちゃんを当てにする作戦は、駄目だってこと!?
ううっ、不安的中。
見ただけでなんでもできるなら、パジャマにあんなに手間取るわけないものっ!