四竜帝の大陸【青の大陸編】
カイユさんといえば。
あのカイユさんが……水の妖精みたいなカイユさんが、ダルフェさんが所属している青の竜騎士団の団長さんだったの!

カイユさんが連れて行ってくれた雑貨屋さんの店長さんが「団長」って、呼んだ事から分かったこの事実。

しかも、竜騎士団の順位は実力で決まるらしい。
つまり。
カイユさんが最強ってことになる。
ハクちゃんが言うには、ダルフェさんの方が強いけれどつがいであるカイユさんに頭が上がらないため、彼は副団長。

騎士団は、在籍たった8名。
団っていうより、それだけしか居ないならどっちかっていうと……チームみたいな気がしなくも無い。

竜騎士の素質のある人は、超貴重。
ジリギエ君は竜騎士だった。
個体数の少ない竜族の中で、両親が竜騎士なんてことは宝くじ的確立らしく……すごいよ、ジリ君。

君はスーパーエリート竜騎士ってこと!?
だからハクちゃんが、四竜帝を討てるほど強くなんて言ったんだろうか?

数が少ない竜騎士団の皆様は、必然的に多忙なわけでして。
私が帝都での暮らしにもすっかり慣れたので、カイユさんも本職(?)に復帰した。

カイユさんは渋ったらしいけれど、お父さんが説得したのだとダルフェさんが言ってたっけ……。
あのカイユさんのお父さんなら、きっとカッコいいおじ様なんだろうな~。
バイロイトさんみたいな、渋い系かな?

前団長さんだって言ってたから、クロムウェルさんばりの筋肉マッチョ系だったりして!?

「このまま転移してよいのか?」

筆記用具と便箋を文箱にしまい、靴を履いた私にハクちゃんが言った。
あ、時々お茶菓子とか持っていくから……。
ハクちゃんって、本当に私のこと良く見ててくれる。
ありがたいな~。
最近、すごく丸くなったし。

「うん、今日は手ぶらです。お願いします、ハクちゃん」

魔王様は、もう卒業(?)かもね。

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