四竜帝の大陸【青の大陸編】
「りこ」

ハクちゃんは両膝を付き、私の顔を覗き込むようにして視線を合わせた。

「りこ。我のりこ」

真珠色の爪に飾られた長い指が、私の手に絡められ。

艶やかな長い髪に縁取られた白皙の美貌が、吐息が触れ合うほどに寄せられて。

黒い服でも白い服でも、どうでもよくなる。

だって。
見えない。

近すぎて。
私に見えるのは、貴方の黄金の瞳だけ。

「ハク……。ミー・メイちゃんと会ってきてもいい?」

唇が触れ合う前に、口にした言葉を。
 
言葉も想いも。

「貴女がそれを望むなら」

触れ合うそこから。
私の全てを奪い取るような口付けで、魔王様は答えてくれた。
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