四竜帝の大陸【青の大陸編】
「さぁ、どうでしょうか? 知っていたとしても、気になさるような方ではありませんから。トリィ様、貴女の思っている以上にあの方は……あの御方はっ」
「セシーさん? きゃっ!」
「セシー!?」
私の髪を掴んだ手に力が加わり、強い力で引っ張られた。
セシーさんはそのまま私を引きずり上げ、息がかかるほど顔を寄せて言った。
「あぁ、あの御方は何故っ! 何故お前のような者を選ばれたのか!?」
セシーさんの紅茶色の瞳が見開かれ、瞬きもせず私を凝視した。
「わた……くしが、こんなにも……こんなにもぉおおおおお、巫女王であるわたくしがぁああああっ! こんなにも愛してっ……なのに、なのにぃいいいいい!! 異界の邪人などに渡すものかぁあああああっ!!」
「ひっ!?」
狂気としか言いようの無いその目と言葉に、私は驚きとそれ以上に恐れを感じて身体が石のようになってしまった。
「お前もあの下賎な女達のように、わたくしのこの手でっ! くびり殺してやるぅうううっ!!」
セシーさんは両手で私の頭を髪ごと掴み、そのまま床へ投げ捨てた。
絨毯の柔らかな感触を頬に感じると同時に、わき腹に抉るような痛みが走る。
セシーさんは私のわき腹を右足で踏み、そこをさらに捻じるようにしながら……。
「っ!? セシーさんやっ、やめっ!」
血走った目。
違う生物が彼女の白い肌の下で這いずり回ってるかのように、妖艶な美貌を凄惨なものに変えながら青筋が蠢く。
それはセシーさんの顔中に広がり、首や胸元までも覆い始めた。
その異様な姿を間近で見て、身体の芯から恐怖心が一気に湧き上がる。
「セシーさん? きゃっ!」
「セシー!?」
私の髪を掴んだ手に力が加わり、強い力で引っ張られた。
セシーさんはそのまま私を引きずり上げ、息がかかるほど顔を寄せて言った。
「あぁ、あの御方は何故っ! 何故お前のような者を選ばれたのか!?」
セシーさんの紅茶色の瞳が見開かれ、瞬きもせず私を凝視した。
「わた……くしが、こんなにも……こんなにもぉおおおおお、巫女王であるわたくしがぁああああっ! こんなにも愛してっ……なのに、なのにぃいいいいい!! 異界の邪人などに渡すものかぁあああああっ!!」
「ひっ!?」
狂気としか言いようの無いその目と言葉に、私は驚きとそれ以上に恐れを感じて身体が石のようになってしまった。
「お前もあの下賎な女達のように、わたくしのこの手でっ! くびり殺してやるぅうううっ!!」
セシーさんは両手で私の頭を髪ごと掴み、そのまま床へ投げ捨てた。
絨毯の柔らかな感触を頬に感じると同時に、わき腹に抉るような痛みが走る。
セシーさんは私のわき腹を右足で踏み、そこをさらに捻じるようにしながら……。
「っ!? セシーさんやっ、やめっ!」
血走った目。
違う生物が彼女の白い肌の下で這いずり回ってるかのように、妖艶な美貌を凄惨なものに変えながら青筋が蠢く。
それはセシーさんの顔中に広がり、首や胸元までも覆い始めた。
その異様な姿を間近で見て、身体の芯から恐怖心が一気に湧き上がる。