リーシュコードにて
「……うん、知ってる。
私、まこ兄のそういう所が一番好きだったよ」
玲子は、水平線のきらめきに目を細めて、そうこたえた。
胸を貫く痛みを、背筋を伸ばし、微笑みと共に受け止めながら。
「誠、ちょっと早いけど、結婚おめでとう。
幸せになってね」
次の瞬間玲子は、自分の唇が勝手にそう動いているのに気づいて、
思わず目を見開いていた。
しかも……その声は、凪の海のように穏やかで優しかったのだ。