リーシュコードにて



 携帯の向こう側からは、苦しげに唇を噛みしめる誠の気配が伝わってくる。



「ありがとう。……玲子?」



「ん?」



「共にじゃなくても、生きていこうな。俺たち」



 そしてその言葉と共に、電話はあっさりと切れた。



 玲子は、黄金の陽射しの中で大きく伸びをすると、

短縮ナンバーの1番、新藤誠のアドレスを携帯から消去する。



< 192 / 200 >

この作品をシェア

pagetop