最後の恋、最高の恋。



やっぱり坂口さんも、他の男の人たちと同じだったってことなのかな。



ぎゅっと持っていた鞄を持つ手に力が入る。

自分でも不思議なくらい涙は出なくて、でも、情けないくらいに足が震えていた。


「あのときからもう2週間だ。 その間に心変わりしたんだよ」

「……嘘、だろう?」


信じられないとばかりに声の震える男の人の声。

「ごめんなさい」と坂口さんの腕の中で謝るお姉ちゃんの声。



「俺は春陽に惚れてる。 愛してるんだ。 美月ちゃん……春陽の妹にはすごく悪いことをしたと思ってるけど、今日春陽とのことを言うつもりなんだ」

「きっと美月のことをすごく傷つけると思うけど、それでも学が好きだから……。 だから山口さんの気持ちには応えられない、ごめんなさい」


二人の想いの強さをまざまざと見せつけられた男の人は、「そんな……」と打ちひしがれた声を弱々と吐き出した。


そして、私も同じように打ちのめされていた。


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