最後の恋、最高の恋。



「やっぱり、おねえちゃんはずるいよ」


笑顔のままこぼれるのは、そんな言葉だった。
子供っぽくて、呆れる。


でもね、ホントお姉ちゃんはずるいんだよ?

いつだって、私の好きな人をとっていく。



「美月、違っ……」

「でもね、……仕方ないって、分かってるの」


必死な顔をしているお姉ちゃんの声を遮る。

ごめんなさい、お姉ちゃんの言葉を今は聞きたくない。
聞ける余裕がない。



「私なんかをずっと好きでいてくれる人なんて、いないもん」


自嘲するように漏らした言葉のすぐあと、「……み、つき、ちゃん?」大好き“だった”声が聞こえた。

笑顔を浮かべたまま、声の方を向くと、顔面蒼白な坂口さんがいた。



だから、どうしてあなたがそんな顔をするの?




……本当、大人の考えることは、訳わかんない。


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