最後の恋、最高の恋。


一人暮らしをするとなったら両親に伝えなくちゃいけないし、伝えるのはもちろん電話報告とはいかないから実家に一回帰らなくちゃいけないだろう。



そんなことを話したら当然お姉ちゃんの耳にも入る。

そしたらなし崩しに坂口さんにまで伝わって、両親に伝えるときに二人とも来る気がする。



現実逃避したいけど、社会人である私にとってそんなことは無理で、会社に行かなくちゃいけないしそのためには着替えだって必要だ。



でもそんなにすぐ日常に戻れない。
お姉ちゃんと坂口さんを笑って祝福なんてできない。



だから私は自分の気持ちが落ち着くまでの間、漫画喫茶に寝泊まりすることにした。


とりあえず今日は下着も服も着替えなんてないから、明日は同じ服で出社するしかないけど。

明日終業後にとりあえず最低限必要なものを揃えて、荷物はコインロッカーにでも預けておこう。

そう決めた私は、会社から少しだけ離れた漫画喫茶を目指して歩くために、走りすぎてガクガクと震える足を叱咤して立ち上がった。


< 136 / 337 >

この作品をシェア

pagetop