最後の恋、最高の恋。


今日の日替わり定食はサバの味噌煮なんだけど、彼女を見ているだけでおなか一杯になってしまった私は、大して箸のつけられていない料理に心の中でごめんなさいと謝罪して箸を置いた。



「ちょっと前まで幸せオーラ満載だったのに、この間早く支度して帰った次の日からこっち、ずっと暗いです」

「……え?」


“暗い”と言われて思わず反応してしまった。

受付は笑顔が命。
暗い顔でお客様を迎えていたんじゃ、話にならない。


「大丈夫です、笑顔の変化にはいつも見ている私たちくらいしか気づいてませんから」


私の心配を読んだかのようなフォローの言葉に、素直に胸を撫で下ろす。


「先輩も言わないだけで心配してます。 放っておきなさいって言われたんですけど、見てらんないです、私」

「……ごめんね」


今の私の状況を話すつもりもないから、ただ謝ることしかできない。

後輩にまでこんな心配かけてしまうなんて、仕事とプライベートを区別できないなんて社会人として終わってる。

そして先輩にまで余計な心配をかけていることが、いたたまれない。

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