最後の恋、最高の恋。



ドタドタドタ、と何か大きな物でも落ちたんじゃないかってくらいの音が聞こえて、沈んでいた意識が浮上してくる。


そうっと目を開けると部屋の明かりはついたままで、あのまま寝ちゃったのか、と理解した瞬間勢いよく部屋の扉が開かれた。


バン、という音で一気に目が覚めて、その音を立てた張本人を布団に入ったまま見つめる。


一週間ぶりに見るお姉ちゃんは相変わらず綺麗だ。

会社帰りなのか、スーツに厚手のコートを着て、外が寒かったのだろう、鼻とほっぺが真っ赤になっている。


そんなお姉ちゃんがドアノブを片手で握ったままで、もう片方の手には携帯を持っていてそれを耳にあてている。


きっとさっきのドタドタという音はお姉ちゃんが階段を駆け上った音なんだろうけど、お姉ちゃんの顔はまるで幽霊でも見たような表情が浮かんでいて、そんなに私が返ってきたのが信じられないんだろうか、なんて思ってしまう。




「……本当に、いる」


荒い息のまま、お姉ちゃんはまるで熱に浮かされたかのような声でそうポツリとこぼした。
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