最後の恋、最高の恋。
それが電話の相手に言った言葉なのか私に言った言葉なのか判断できないでいると、お姉ちゃんはその場にへたりとしゃがみこんで、みるみるうちに涙をポロポロと溢していく。
その涙の意味すら、私には分からない。
でもなんとなくわかるのは、電話の相手が坂口さんだってこと。
よかった、順調なんだ。
そう自然に思えたのは、少しは私の中で気持ちの整理がついたなによりの証拠だ。
「ただいま、お姉ちゃん」
とりあえず、何を言っていいのかわからなかったから、そんな場違いとも思えるようなことを口にしたのに、お姉ちゃんは嗚咽しながら「おか、えりっ」とぐちゃぐちゃな顔で必死に笑顔を作って私に向けてくれた。
ぬくぬくした布団から抜け出して、冷たい床に足をつけてベッドから降りる。
机の上にあったリモコンでエアコンをつけてお姉ちゃんのそばに立膝をついて座ると、お姉ちゃんは泣きながら私をぎゅうっと痛いくらいに抱きしめた。