最後の恋、最高の恋。



渡さなくて、よかった。

お姉ちゃんならもっと、素敵なものを作るはずだから。




膝に顔をうずめて、隠れて自嘲する。


一生懸命になにかに取り組んだって、不器用な私じゃ到底無理で。

それなのに、お姉ちゃんは何でもない顔でそつなく、そして完璧にこなしてしまうんだ。


そんな私は、仕事だって今はガタガタで、あんなに仕事が好きだったはずなのに、今はそれすらまともにできていない。

お姉ちゃんなら、失恋くらいで仕事が疎かになったりしないだろう。
笑顔でいつも通りこなしてしまうに違いない。

お姉ちゃんは優しくて、強くて、綺麗な女の人だから。


反対に私は、何から何までなし崩しにダメになって、どんどんどんどん、自分を嫌いになっていく。


別に、死にたい、とかそういう極限なことを思っているわけじゃないけれど、それでも私は自分の存在を消したくて仕方がない。

誰の目にも留まらない、お姉ちゃんと比較されることもない、そんな透明なものになりたい、なんてあまりに現実離れしたことを願ってしまったりする。

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