最後の恋、最高の恋。
震えすら止められない。
逃げないって決めたのに、受け入れなくちゃって思ってるのに、身体が心が拒否をする。
きっと泣き始めた瞬間を目の前の坂口さんには見られてしまったに違いないけど、大人な坂口さんなら見なかったふりをしてくれる。
そして私の心なんてお見通しのエスパー坂口さんなら、今私がこの状況を苦痛に感じていることも分かってくれるだろう。
「美月……」
労わるような優しいお姉ちゃんの声にも反応しないで、ひたすら顔をうずめていると、お姉ちゃんが立ち上がる気配がした。
お姉ちゃんはきっと私の気持ちを酌んでくれたんだと思う。
今はその優しさに感謝した。
「学、日を改めましょう」
そう言って坂口さんに一緒に部屋を出ようと促しているけれど、「俺は今日話す」と坂口さんは私の気持ちを完全に無視して座ったまま言った。