最後の恋、最高の恋。
お姉ちゃんが好きなのは坂口さんだというそのことに、嘘なんてなかったから否定しないで謝ってきたんじゃないんだろうか。
「あの状況で、山口を納得させるためにはあそこまで言わないと無理だった。 それはあの場をやり過ごすための言葉だったけど、嘘とはいえ言うべき言葉じゃなかったと言いながら後悔してた」
「だって、お姉ちゃん、」
「春陽も同じように言わないと真実味が増さないだろう? あそこで美月ちゃんまで聞いてたのは予想外だったし、俺が美月ちゃんを追いかけたことで山口にはそれが嘘だったって結局ばれたんだけど」
こつん、とおでこをぶつけられて、鼻が微かに触れ合うくらい距離を縮められる。
「春陽は心配してた、美月ちゃんのこと」
それはさっきのお姉ちゃんの態度を見たら一目瞭然だった。
心から私がこの部屋にいたことに安堵していた表情だった。
「それこそさっき美月ちゃんが春陽を心配したみたいに」
「っ、」