最後の恋、最高の恋。


「お姉ちゃん、坂口さんの好きな人知ってたの?」

「え? 美月のことが好きなんでしょ?」


「……マジで言ってんの?」



あっさりと肯定してくるお姉ちゃんの言葉さえ今は信じられなくて、さらに確認するのにお姉ちゃんは「もう1年くらいになるんじゃない?」と付け加えた。

さすがにそれは“何が?”と聞かなくてもわかる。
きっと待ち受け画面を見てから1年、好きでいてくれたということ。

会ったこともない私を。



「私だって可愛い妹をそう易々と紹介しないわよ? その時美月に彼氏いたし……」

「……、うんわかってる」


そう、分かってるんだ。
お姉ちゃんはきっと坂口さんだから、私に紹介したんだ。

それくらい、お姉ちゃんは私を大切に思ってくれている。
そのことを私は苦しいくらい、理解している。

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