最後の恋、最高の恋。
心構えも何もできていない。
菓子折り1つ買ってきていないし、しかも年下のこんなちんちくりんが学の彼女だと認めてもらえるわけがない。
お姉ちゃんだったら、学の隣に立っていても遜色ない。
お姉ちゃんだったら、学の彼女として何の不服もないだろう。
私はお姉ちゃんと比べると雲泥の差だ。
コンプレックスは以前のようにはないけれど、やっぱりお姉ちゃんには敵わないと思う気持ちは無くならないし、なんだかんだ言ってもお姉ちゃんは私の憧れで目標なのだ。
「美月?」
玄関の扉の前で立ち尽くす私に、すでに玄関の中に入って扉をおさえている学が不思議そうに声をかける。
「……っ、」
情けないくらいに緊張で足が震えている。
私はお姉ちゃんじゃないし、お姉ちゃんに学の彼女の座を明け渡すつもりもないし、だったらありったけの勇気を振り絞って学の家族に会うべきだって分かっているのに。