最後の恋、最高の恋。


「美月ちゃんはコーヒーと紅茶、どっちがいい?」


パタパタとスリッパを鳴らしながらリビングの隣にあるキッチンへと向かったお母さんがそう聞いてくれて、でも私が答えるより先に学が親切にも答えてくれた。


「美月はコーヒーは砂糖とミルクたっぷりじゃないと飲めないし、紅茶もストレートじゃ飲めないお子様だからよろしく」


今なら自分で穴を掘ってそこに埋まりたい。

なにもこんな場面で、しかも会って数分としか経ってないのにそんなことを暴露してくれなくてもいいのに。


ブラックコーヒーもストレートティも、頑張って飲む気でいた私の気合を返してほしい。


恨みがましく学をこっそり睨みあげるのに、そんな私の視線もなんのその。

学はにっこり微笑んであっさりと私の心臓を打ち抜いた。



「だってこれから長い付き合いになるんだから、最初から気を使っちゃダメだろう?」

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