最後の恋、最高の恋。


『……誰かいる?』


疑問形だけど確信しているその問いに私が答える前に、手の中の携帯はお姉さんに取り上げられてしまった。


「もしもーし? 美人で素敵なお姉様ですよー」


笑いまじりに言ったお姉さんは、電話の向こうで何か言ったらしい学に笑いながら謝っている。

話し続けるお姉さんの様子を、落ち着かない心地でそわそわ見つめているけれど、一通り笑い終えたお母さんと雪さんはいつの間に用意したのか湯気の立つカップを片手にのんびりお茶を飲んでいた。

もう学をからかうのに飽きたのか、一通り終わったからもういいのか、二人の話題はお互いの旦那さんの自慢大会になっている。


……やっぱり、大人の人ってよく分からない。


がっくりとうなだれていると、お姉さんのすらりと細い足が視界に入って、そのまま視線を上げると目の前に私の携帯が差し出されていた。


「はい、美月ちゃん。 とりあえず説明はしておいたから」


有無を言わせずに渡された携帯を受け取ると、お姉さんも旦那さんの自慢大会へと参加してしまって、ポツンと取り残されてしまったような感じだ。


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