最後の恋、最高の恋。
たぶんそう考えていたのが顔に出ていたんだろう。
「そのタンクトップって、高校の時に買ってからお気に入りで捨てられないっていうタンクトップだろう?」
「……なんでそんなこと、知ってるんですか?」
たしかに、このタンクトップはお気に入りで、お気に入り過ぎたからこんなにデロンデロンになっちゃったんだけど……。
でも愛着があるから捨てられなくて、23になった今でも夏になるとパジャマ代わりに着ちゃってるんだけど……。
でもそんなこと、家族以外には知ってる人はいないはずで……。
って、情報源は一人しかいないよね。
「春陽に聞いた美月ちゃん情報の1つ」
にっこり笑顔で私の考えを知らずに肯定してくれた坂口さんに、思わずため息。
っていうかお姉ちゃん、こんなどうでもいいことまで坂口さんに言ってるってことは、一体どれだけの“身内だから知ってるダメなところ”をこの人に言ったんだろう。
それを考えるだけで頭が痛くなってくる。