最後の恋、最高の恋。


クマさんは、持っていたパスタを置いて、空いてる隣の席のテーブルをバンバン叩きながら笑ってるし、坂口さんは坂口さんで声こそ出してないものの口を押えながら顔をそむけて、肩がブルブルと小刻みに震えている。



「……なんで笑うんですか」


素直に謝ったのに笑われて、すごく気分が悪い。

それを隠さずに表情に出した私に、坂口さんは「ごめんごめん」と目じりに浮かんだ涙を人差し指で拭いながら謝るし、クマさんは「バカ正直―!」とまだ笑い続けている。


「美月ちゃん、驚いたことを謝るのは偉いけど、あとの言葉は言わなければコイツに分からなかったのに」


それを言われて初めて自分の失言に気付いた私は、どうしようもないバカなんだと思う。

自分の馬鹿さ加減に突っ伏したくなる。


「が、ガッくん……、ナイスな子を連れてきたなぁー」

「でしょ、今口説き落としてる最中」


笑いまじりのしみじみとした口調に対して、おどけたように答える坂口さん。
そして文字通りテーブルに突っ伏した私。

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