最後の恋、最高の恋。



「ふぅん? 俺はてっきり春陽ちゃんとくっつくかと思ったんだけどなー」

「っ、」


突然のお姉ちゃんの名前に、突っ伏したままピクリと反応してしまった。

何故か顔を上げることができなくなってしまう。


反応した私に目ざとく気づいたクマさんが、「あ、春陽ちゃんのこと知ってるの?」と話題を膨らませる。


「美人で優しくて気立てのいい、まさに理想の女だよなー」

「誠人(マコト)」


お姉ちゃんを褒め倒す言葉を遮ったのは、坂口さん。

きっと“マコト”というのがクマさんの名前なんだろう。


クマさんがそれ以上お姉ちゃんを褒めないように、それを遮ったの?

私がそれで傷つくと思ったから?


でも坂口さん。 それは逆効果だよ。

私にとって、そうやって遮って気を遣われる方がすっごくみじめになるんだよ。


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