最後の恋、最高の恋。
……泣いてることさえ、坂口さんにはお見通しらしい。
千里眼でも持ってるんじゃないかと、本気で疑ってしまう。
でも、いまはその好意をありがたく受け取って、ゴシゴシと涙を拭った。
暑くて汗をかくと思ってアイラインをウォータープルーフのにしておいてよかった。
気まずいながらもおずおずと顔を上げた私に、坂口さんは何を言うでもなくにっこり笑って、「冷めないうちに食べちゃおう」とパスタを取り皿に取り分けてくれた。
どうやら最初から2種類とも半分こして食べる予定だったらしい。
クマさんも私の様子に気づきながら何も言わないで、「今日はキノコのクリームパスタだ」とそれだけ説明すると、キッチンへと戻ってしまった。
てっきりお姉ちゃんとのことを聞かれると思ったのに、拍子抜けだった。
「食べないの? アーンしてあげようか?」
そんなクマさんの後姿を見送っていた私に、パスタの巻かれたフォークが差し出されて、お腹の空いていた私は素直にそれにかぶりついた。