最後の恋、最高の恋。


「ご馳走様でした」



パスタとピザは綺麗になくなって、両手を合わせてそう言うと「じゃあ行こうか」と坂口さんが立ち上がる。


「誠人、お会計頼む」


その声にカウンターにいなかった誠人さんがキッチンの奥からのっそりと出てきた。

その手には小さな箱。


「2500円だけど、500円はまけてやるよ」

「だったらここはお金はいらないとか言ってくれた方が嬉しいんだけど」

「や、そんなことしたら店潰れちまうから、これで勘弁な」


1000円札を二枚坂口さんから受け取った宮田さんが、持ってきた小さな箱を私に持たせてくれる。

シンプルな茶色の箱。

持った感じは何も入っていないかのように軽い。

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