最後の恋、最高の恋。
ピクリとも動かないから余計に心配で、さっきしみじみしていた気持ちも吹っ飛んでしまう。
でもその半面で、坂口さんの本音を聞いて嬉しいと感じている。
急に不機嫌になったりすると不安になるけど、でもそれが子供じみた独占欲だったり嫉妬だったら、やっぱり嬉しい。
好きな人からされるものなら何でも嬉しく思うのは当然の感情だ。
それを素直に言葉にするには、私はまだ臆病だから。
まだ恋というものを信じ切れていないから。
「坂口さんの連絡先、教えてくれませんか?」
私がこう言うことで、少しでも坂口さんが喜んでくれたら嬉しいと思って口にした。
……もちろん、ただ私が坂口さんの連絡先を知りたいと思っただけでもあるんだけど。
私の言葉に面白いくらいに反応した坂口さんは、ガバッとハンドルから顔を上げてポケットから携帯を取り出した。